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しょうぐん

将軍

芥川 竜之介

明治37年黎明,一队士兵带着白襷奔赴死亡战场,路上有人抱怨荣誉换不来酒钱。想要活命的士兵与悲壮的命运冲突,你会怎么选?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,852 字 · 31 页

青空文庫

将軍は今日も上機嫌だった。何か副官の一人と話しながら、時々番付を開いて見ている、――その眼にも始終日光のように、人懐こい微笑が浮んでいた。

その内に定刻の一時になった。桜の花や日の出をとり合せた、手際の好い幕の後では、何度か鳴りの悪い拍子木が響いた。と思うとその幕は、余興掛の少尉の手に、するすると一方へ引かれて行った。

舞台は日本の室内だった。それが米屋の店だと云う事は、一隅に積まれた米俵が、わずかに暗示を与えていた。そこへ前垂掛けの米屋の主人が、「お鍋や、お鍋や」と手を打ちながら、彼自身よりも背の高い、銀杏返しの下女を呼び出して来た。それから、――筋は話すにも足りない、一場の俄が始まった。

舞台の悪ふざけが加わる度に、蓆敷の上の看客からは、何度も笑声が立ち昇った。いや、その後の将校たちも、大部分は笑を浮べていた。が、俄はその笑と競うように、ますます滑稽を重ねて行った。そうしてとうとうしまいには、越中褌一つの主人が、赤い湯もじ一つの下女と相撲をとり始める所になった。

笑声はさらに高まった。兵站監部のある大尉なぞは、この滑稽を迎えるため、ほとんど拍手さえしようとした。