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しょうぐん

将軍

芥川 竜之介

明治37年黎明,一队士兵带着白襷奔赴死亡战场,路上有人抱怨荣誉换不来酒钱。想要活命的士兵与悲壮的命运冲突,你会怎么选?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,852 字 · 31 页

青空文庫

ちょうどその途端だった。突然烈しい叱咤の声は、湧き返っている笑の上へ、鞭を加えるように響き渡った。

「何だ、その醜態は? 幕を引け! 幕を!」

声の主は将軍だった。将軍は太い軍刀のに、手袋の両手を重ねたまま、厳然と舞台を睨んで居た。

幕引きの少尉は命令通り、呆気にとられた役者たちの前へ、倉皇とさっきの幕を引いた。同時に蓆敷の看客も、かすかなどよめきの声のほかは、ひっそりと静まり返ってしまった。

外国の従軍武官たちと、一つ席にいた穂積中佐は、この沈黙を気の毒に思った。俄は勿論彼の顔には、微笑さえも浮ばせなかった。しかし彼は看客の興味に、同情を持つだけの余裕はあった。では外国武官たちに、裸の相撲を見せても好いか?――そう云う体面を重ずるには、何年か欧洲に留学した彼は、余りに外国人を知り過ぎていた。

「どうしたのですか?」

仏蘭西の将校は驚いたように、穂積中佐をふりかえった。

「将軍が中止を命じたのです。」

「なぜ?」

「下品ですから、――将軍は下品な事は嫌いなのです。」

そう云う内にもう一度、舞台の拍子木が鳴り始めた。静まり返っていた兵卒たちは、この音に元気を取り直したのか、そこここから拍手を送り出した。