轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょうじょとろうへいし

少女と老兵士

小川 未明

「中央公論」1939(昭和14)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,697 字 · 10 页

青空文庫

「おじさんは、うちの兄さんを知らないでしょう。」

またしても、こういって、自分を見上げた、少女のぱっちりとした目が浮かびました。その目は、清らかなうちに、どこか悲しみに傷んだところがあった。

「おお、あのときの青年の目と、さっきの少女の目と同じでなかったか。」と、老兵士は、おどろきました。さらに、彼は、二人が、兄妹でないのかとさえ考えられるのでした。

それは、あまりにも空想的な考えようであったでしょう。しかし、たとえ兄と妹でなくても、その澄みきったかがやく目の中に、相通ずるものを見ました。人間であって、人間以上のものを感じたのです。

「いったい、それはなんであろうか。」と、彼は、考えました。そして、ついに、悟りました。生命というものは、はかないが、真実は、なんらかの形で永久に残るということでした。

彼は、しだいにふけていく、初秋の夜の空を仰ぎました。金色に、緑色に、うすく紅に、無数の星が輝いています。おそらく、どの一つにも烈々として、炎が燃え上がっているにちがいない。しばらくすると、それが、みんな人間の目になって見えるのでした。寂然として、ものこそいわないが、永遠に真実と正義とを求めている。