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しょうねんじだい
少年時代
幸田 露伴
「今世少年 10月増刊号 今世英傑少年時代」1900(明治33)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,088 字 · 14 页
然しこういうように慣らされたため今でも弟などのように気不勝ではありません、至ってまめな方です。
観行院様は非常に厳格で、非常に規則立った、非常に潔癖な、義務は必らず果すというような方でしたから、種善院様其他の墓参等は毫も御怠りなさること無く、また仏法を御信心でしたから、開帳などのある時は御出かけになり、柴又の帝釈あたりなどへも折々御出でになる。其時に自分は連れて往って頂く、これはまあ折々の一つの楽みであったのです。其他に慰みとか楽みとかいって玩弄物を買うて貰うようなことは余り無かったが、然し独楽と紙鳶とだけは大好きであっただけそれ丈上手でした。併し独楽は下劣の児童等と独楽あてを仕て遊ぶのが宜くないというので、余り玩び得なかったでした。紙鳶は他の子供が二枚も三枚も破り棄てて仕舞う間に自分は一枚の紙鳶を満足にげて遊んで居た程でした。これは紙鳶を破るような拙なことを仕無いのと、一つは破れた紙鳶でも繕うことが上手であったからで、今でも私の手にかければ何様な紙鳶でも非常に良い紙鳶に仕て見せます、ハハハ。で、糸目の着加減を両かしぎというのにして、右へでも左へでも何方へでも遣りたいと思う方へ紙鳶が傾くように仕た上、近傍に紙鳶が揚って居ると其奴に引からめて敵の紙鳶を分捕って仕舞うので、左様甘く往くことばかりは無かったが