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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

春の日は西にうすずいて、最後の残光を林に投げ、ふたりのほがらかな笑い顔に送った。

「やあやあここでしたか」

とモコウがとんできた。

「食事ですよ」

かれはひさしぶりの富士男の笑い顔を見て、目を白黒さした、事件以来あおざめてゆく主人のようすに、やきもきと心配していたのだった。

「モコウ、鼻のおできはもうなおったのか?」

富士男はゴルドンのさっきのことばを思いだした。

「おでき?」

とモコウがふしぎそうに鼻をつまんだ。

「そんなもの、できやしませんよ」

「ハハハハ、昔々、モコウ君の鼻にまっかなおできがふきでました。それがとつぜん噴火したので、あとがまッ黒にこげてしまいました。ハハハハ」

こういってゴルドンが笑った。

「そうか、そうだったのか」

富士男はいまゴルドンが自分を快活にみちびこうとして、笑話をつくったのだとはじめてわかった。

「ひどいな、ゴルドンさん」

とモコウがもう一度、鼻をつまんで鳴らした。

「ハハハハ」

「ハハハハ」

晩餐が和気あいあいのうちにおわった。モコウが気をきかして食前にくばったぶどう酒の一杯が、一同のほおをあかくそめた。心はうきうきと楽しい。と沈黙家で少年工学博士バクスターがとつぜん立ちあがった。