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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
「だいじょうぶか、ドノバン」
富士男は暗のなかをすかして見ながらいった。
「だいじょうぶだ」
ドノバンの声である。
「モコウ! どうした」
「だいじょうぶですぼっちゃん」
モコウは帆綱にぶらさがりながらいった。
「もうすこしだ、がまんしろ」
富士男はこういった、だがかれは、じっさいどれだけがまんすれば、この嵐がやむのかが、わからなかった。わからなくても戦わねばならぬ、自分ひとりではない、ここに三人がいる、船底にはさらに十一人の少年がいる、同士のためにはけっして心配そうな顔を見せてはならぬのだ。
かれは大きな責任を感ずるとともに、勇気がますます加わった。
このとき、船室に通ずる階段口のふたがぱっとあいて、二人の少年の顔があらわれた。同時に一頭のいぬがまっさきにとびだしてきた。
「どうしてきた」と富士男は声をかけた。
「富士男君、船がしずむんじゃない?」
十一、二歳の支那少年善金はおずおずしながらいった。
「だいじょうぶだ、安心して船室にねていたまえ」
「でもなんだかこわい」
といまひとりの支那少年伊孫がいった。
「だまって眼をつぶってねていたまえ、なんでもないんだから」