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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

海蛇は次郎をかかえたまま、岸のほうへ走った。このとき、とつじょとして洞内からおどりでた、一壮漢がある。その顔はあしゅらのごとく、眼は厳下の電のごとくかがやいている。

「海蛇待てッ」

声をきいて海蛇は立ちどまってふりかえった。

「やあ、ホーベス、いいところへきた、早く舟に乗れ」

ホーベスは、だまって海蛇に近づいた。と見るまもなく、かれのがんがんたるげんこつは、宙をとんで海蛇の眼と鼻のあいだに落ちた。あっという声とともに海蛇は次郎をはなした。同時にかれの手は早くもポケットの懐剣にかかるやいなや、怪光一せん、するどくホーベスの横腹をさした。ホーベスは、びょうぶをたおしたように、ばったり地上にたおれた。

海蛇はもう死に物ぐるいである。かれはブランドが、コスターをのがしたのを見て、せめて次郎だけはとりもどそうと考えた。かれはおそろしい速力をもって、次郎をおいかけた。次郎は右に逃げ、左に逃げたが、とうてい海蛇の足にはかなわない、海蛇の手は、むずと次郎のえりもとにかかった。この一しゅんかん、次郎はふりむきざまにポケットのピストルをとりだして、ごうぜん一発うちはなした。