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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

「やられたッ」

いかにも富士男のからだは、まったく白泡のなかに、のまれてしまったのである。

「ひけッひけッひけッ!」

モコウはまっさきにとんできて、綱をひいた、ゴルドン、サービス、ガーネット、いずれも死に物ぐるいになって綱をひいた。

やがてふなばた近く、富士男のからだがあらわれた。

「残念だッ」

かれは波にぬれた頭をふっていった。

「しかたがないよ」

「うん」

富士男は船にあがるやいなや、ばったりたおれたまま、ものもいえなかった。

陸との交通は、まったく絶望におわった。しかも正午すぎになると、潮は見る見るさしはじめて、波はますますあらくなった。このままにうちすてておくと、満潮にさらわれて、船が他の岩角にたたきつけられるのは、わかりきったことである。一同は不安の胸をとどろかしながら、だまって甲板に立ったまま、ただ天にいのるよりほかはなかった。

「ちいさい人たちだけは助けたいものだなあ」

富士男はやっとつかれから回復していった。

「ぼくらが助からないのに、ちいさいやつらが助かるかい」

とドノバンはいった。

このとき異様な震動とともに、幼年者たちの泣き声がきこえた。