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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
だが、十六歳を頭にした十五人の少年の力では、帆をまきおろすことはとうていできない。見る見るマストは満帆の風に吹きたわめられて、その根元は右に動き左に動き、ギイギイとものすごい音をたてる。もしマストが折れたら船には一本のマストもなくなる、このまま手をむなしくして、波濤の底にしずむのをまつよりほかはないのだ。
「もう夜が明けないかなあ」
ドノバンがいった。
「いや、まだです」
と黒人のモコウがいった。そうして四人は前方を見やった。海はいぜんとしてうるしのごときやみである。
とつぜんおそろしいひびきがおこった。
「たおれたッ」とドノバンがさけんだ。
「マストか?」
「いや、帆が破れたんだ」
とゴルドンがいった。
「それじゃ帆をそっくり切りとらなきゃいかん、ゴルドン、きみはドノバンといっしょに、ここでハンドルをとってくれたまえ、ぼくは帆を切るから……モコウ! ぼくといっしょにこいよ」
富士男は、こういって決然と立った。かれはおさないときから父にしたがって、いくたびか、シドニーとニュージーランドのあいだを航海した。そのごうまいな日本魂と、強烈な研究心は、かれに航海上の大胆と知識をあたえた。