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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

衆議一決のうえはいよいよ貨物運搬にとりかからざるをえない。富士男の推薦でいっさいの工事は仏国少年バクスターに一任し、一同はその指揮にしたがうことにした。バクスターはへいそあまりものをいわないが、勤勉にして思慮深く、生まれながらにして、建築の才能があった。富士男がかれを推薦して工事の部長としたのはむりでない。

ものの順序としてバクスターはまず川の右岸にテント小屋を建てることにした。川のほとりに繁茂するぶなの木の枝と枝のあいだに、長い木材をわたして屋根の骨をつくり、それにテントを張り、そこに火器弾薬その他いっさいの食料を運んだ。そのつぎにはいよいよ船体の外皮をとかねばならぬ。船の外皮は銅板で、これは後日なにかの役にたつからていねいにはぎとった。しかしそのつぎには鉄骨があり、船板があり、柱がある。それらをとくのはなかなかよういなことでない。

しかしさいわいなるかな、四月二十五日の夜、とつぜん大風吹きつのって、天地もためにくつがえるかと思われたが、夜が明けてから浜辺へいってみると、サクラ号はめちゃめちゃに破壊されて、大小数限りもない木片は、落花のごとく砂上にちっていた。