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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

声はまさしく穴の底である。縦横にわたした枝はくずれおちて、なんとも知らぬ動物が、おそろしい音を立ててくるいまわっている。

「なんだろう」

ドノバンがいうまもなく、富士男は声高くよんだ。

「フハン、フハン、ここへこい」

主人の声をきいたフハンは、矢のごとく走ってきた、かれは主人の顔をちょっとながめて、すぐ穴のはしから底を見おろした、とたんに電光のごとく穴のなかへおどりこんだ。

「みんなこいよ」

と富士男はうしろの少年たちにいった、少年たちは先をあらそうて走ってきた。

「なんだろう」

「ひょうか」

とウエップがいった。

「クーガル(ひょうの一種)かもしれない」

とグロースがいった。

「いや二足動物、だちょうだ」

とドノバンがいった。じっさいそれは、アメリカだちょうと、称せらるるものであった。全身は灰色で、その肉は佳味をもって賞せらる。

「生けどりにしなくちゃ」

とサービスがいった。

「うん、きみが一生けんめいに穴をかくしたかいがあったね」

とドノバンが笑った。

「だが生けどりはむつかしいよ、あの大きなくちばしでつっつかれたらたまらない」

「なあにだいじょうぶだ」

サービスは身をおどらして、穴のなかへとびこんだ、穴のなかでは猟犬フハンと、だちょうが必死になって戦っていた。