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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
とバクスターがいった。
「賛成賛成」
なにかにつけて苦情をいいたがるドノバンも、道理の前には口をつぐむよりほかはなかった。
「そこでぼくは諸君に一言したい」
と富士男は謹厳なる口調でいった。
「われわれ十五人の少年連盟の首領として、われわれが選挙する人物は、われわれのうちでもっとも徳望あり、賢明であり、公平であるところのゴルドン君でなければならん」
「いやいや」
とゴルドンは手をふって、「才知と胆力と正義は、富士男君を第一におすべきだ」
「いやいやそうじゃない、諸君、ゴルドン君を選挙してくれたまえ」
「いや、諸君、富士男君を選挙してくれたまえ」
ふたりはひたいに玉のごとき汗を流して、ゆずりあった。
「どっちでも早くきめてくれ」
とドノバンは不平そうにいった。
「ねえ、ゴルドン君、おたがいにゆずりあってもはてしがない、連盟の第一義は協力一致だ、平和だ、親愛だ、その志について考えてくれたまえ」
富士男はその眼に熱火のほのおをかがやかして、哀訴するようにいった。
「うん」
「大統領という名目は、けっして階級的の意味じゃない」
「うん」
ゴルドンはちらと富士男の顔を見やったときに、ドノバンのねたみのほのおが、わが眼をいるような気がした。