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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
ある日富士男はゴルドンとともに森のなかを散歩した。小高き丘にのぼると自分らの洞窟が一目に見える。岩と岩のあいだ、こんもりとしげった林、川の方へひろがる青草の路、そのあいだに点々としてあるいは魚を網し、あるいは草をかり、あるいは家畜にえをやり、あるいは木材を運ぶ同士のすがたが画のごとく展開する。
「ああかわいそうだなあ」
富士男の眼には涙がかがやいていた。
「なにが?」
「ぼくらは年長者だから自分の運命に対してあきらめもつく、また気長く救いを待つ忍耐力もある、だがあのちいさい子たちは、家にいると両親のひざにもたれる年ごろだ。この絶海の孤島に絶望の十ヵ月をけみして、しかもただの一度も悲しそうな顔もせず、一生けんめいに心をあわして働いてくれる。それはぼくらを信ずればこそだ。かれらは一身をぼくらの手にまかしているのだ。それにぼくらはかれらを救う道具を見いだしえない。じつに情けないことだ。ぼくらは自分の責任に対してまったくすまないと思う」
「いかにもそうだ」とゴルドンも嘆息して、「しかしそれはぼくらの力でどうすることもできないことだ、しずかに運命を待とうじゃないか、きみの憂欝な顔をかれらに見せてくれるなよ、かれらはきみをなにより信頼してるんだから」