轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
やまぶきちょうのさつじん
山吹町の殺人
平林 初之輔
「新青年」1927(昭和2)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,530 字 · 37 页
三四郎の方では、光子に対して何等(なんら)疚(やま)しい関係はないということ、男子が一たん約束をした以上は、何とか相手の身のふりかたがきまるまでは約束をやぶるわけにはゆかないことを意地になって言い張ったので、とうとう喧嘩別れになったままで彼は出ていったのであった。嘉子は嘉子で「これから妾(わたし)が光子さんに会ってじかに話をきめてきます」と捨台詞(すてぜりふ)をのこして三四郎にわかれたのだった。
ところが三四郎が役所から帰りに光子の家へ来て見ると、光子はもう屍体となってしまっていたのだ。
三
光子の屍体を見出した瞬間から、大宅三四郎の頭には、どうしても抹殺(まっさつ)することのできない疑いが執拗(しつよう)に巣くった。彼はこの疑いに触れることを恐れて、わざと避けていたのであるが、避けようとすればする程、益々はっきりとした形を帯(お)びてくるようにすら思われた。
彼は自分の家へ入るのを恐れた。――嘉子はもう帰っているだろうか? どうしているだろう。犯した罪の恐ろしさに泣きくずれているのじゃなかろうか? もう既に警官に発見されて引致(いんち)されたのじゃなかろうか?――