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みんざんのいんし

岷山の隠士

国枝 史郎

「大衆文芸」1926(大正15)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,095 字 · 19 页

青空文庫

2

「どうしたら金が溜まりましょう?」

「働いて溜めるより仕方がない」

「その癖先生はお見受けする所、ちっとも働かないじゃありませんか」

「うん、どうやらそんな格好だな」

「働かないで溜める方法は?」

「よくこの次までに考えて置こう」

一向張り合いのない挨拶であった。

「どうしたら長命が出来ましょう」

「いろいろ方法があるらしい」

「それをお教え下さいませんか」

「俺には解っていないのだよ」

「物の本で読みました所、内丹説、外丹説、いろいろあるようでございますね。枹木子などを読みますと」

「ほほう、それではお前の方が学者だ。ひとつ俺へ話してくれ」

李白これには閉口してしまった。

ある日東巖子が李白へ云った。

「天とは一体どんなものだろう?」

「ははあこの俺を験す気だな」

すぐに李白はこう思った。

「道教の方で申しますと、天は百神の君だそうで、上帝、旻天、皇天などとも、皇天上帝、旻天上帝、維皇上帝、天帝などとも、名付けるそうでございますが、意味は同じだと存じます。天は唯一絶対ですが、その功用は水火木金土、その気候は春夏秋冬、日月星辰を引き連れて、風師雨師を支配するものと、私はこんなように承わって居ります」