轻松读懂日语经典作品
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くずれるおにかげ
崩れる鬼影
海野 十三
「科学の日本」博文館、1933(昭和8)年7月~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,100 字 · 69 页
――これはいいものが手に入りました。御覧なさい。これは毛のようで毛ではありません。むしろセルロイドに似ています。しかしセルロイドと違って、こんなによく撓みます。しかも非常に硬い。こんなに硬くて、こんなによく撓むということは面白いことです。覚えていらっしゃるでしょうネ。あの化物の身体は、自由に伸び縮みをするということ、そして透明だということ、――これがあの化物の皮膚の一部なのです」
「皮膚の一部ですって!」
「そうです。化物が硝子窓を破って外へ飛びだしたときに、剃刀よりも鋭い角のついた硝子の破片でわれとわが皮膚を傷つけたのです。そして剥けた皮膚の一部がこの白毛みたいなものなのです。いやこれは中々面白いことになってきましたよ」
兄はひとりで悦に浸っていました。
化物追跡戦
「とにかく此の白毛みたいなものを早速東京へ送って分析して貰うことにしましょう。分析して貰えば、これが地球上に既に発見されているものか、それとも他のものか、きっと見分けがつくと思いますよ」
「なるほど、なるほど。いいですね」と白木警部は大きく肯きました。
そのとき先頭に駆っている自動車から、ポポーッ、ポポーッと警笛が鳴りひびきました。