轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こうだんし
巷談師
「別冊文藝春秋 第一七号」1950(昭和25)年8月3日発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,894 字 · 22 页
「君の巷談、よみましたね。競輪。負けッぷりはお見事だが、あれはいけないよ。競輪は一レースに五百円、ま、一日五千円程度で勝負するものだ。それで、まア、倍にもうける。その程度、ね。そういうものよ。それでぼくはこうして結構遊んでいられるのよ。アレが安吾氏だというからね。ふッと閃いたわけだ。競輪のコツを伝授しようと思ってさ。あの負けッぷりが好きだからよ」
淡々たる武者ぶりである。名乗りもあげないし、イラッシャイも、言わない。よく来てくれた、などとも言わない。別段、軽蔑しているのでもないようだ。なぜなら気どってもいないようだから。どういうコンタンだか分らないが、天下の巷談師をてんで買っていないのは確かである。
「今夜だと、尚よかったんだが、君、出直してくるかい? 夜の八時ごろ、使いの者が、こッちへくるんだね。今、小田原で競輪やってッだろ。明日から二節だ。明日の出走表が八時半には、ぼくに届くのよ。それを見て、教えてあげる。初心者にはこれに限るのよ。むずかしい理窟は早急に呑みこめやしないものさ。理窟じゃないが、上りタイム、過去の戦績、これを知りつくして半人前だね。