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ていだいせいしょけんきゅうかいしゅうこうのじ
帝大聖書研究会終講の辞
矢内原 忠雄
「嘉信 第一巻第三号」1938(昭和13)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,943 字 · 8 页
最近この学園にいろんな事が引き続いて起って来て、我々は驚きの中にいる。真に学問をする者は外に棄てられ、野犬、狼の徘徊する処となった。学問と真理は萎縮し、平和と秩序は失せた。大学は私に用がなくなった。私は之を神の審判に委ねるより外ない。願うところは後の日この荒野に水湧き出で、野犬の棲処が蘆葦の繁茂する処とならんことである。
諸君はやがてこの大学を卒業して社会に出でる。日本の国が諸君の信仰を必要とする時が来て、其時私が此処で諸君に話した事を処々でも覚えていれば、それに諸君自身の言を附け加えて、国民と世界とに告げて貰い度い。後の時代には又それらの言を編輯する者に出て貰い度い。こうして神の言を次々の代迄受け継いで、日本国の輝かしき復興と世界全体の平和の日迄に到り度い。我等はこの希望を永遠に有つ。併し今は起て。我等此処を去ろう。
(『嘉信』第一巻第三号・昭和十三年(一九三八年)三月)