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ていてんのびじんが
帝展の美人画
上村 松園
「大毎美術 第八巻第十二号」1929(昭和4)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,452 字 · 3 页
あんなに岩ものを盛上げたから、それで絵の厚味が出たと思うのが間違いだと思います。絵の奥の奥からにじみ出す味、それは盛上げたばかりで出るものではないということが、わからないのでしょうか。
今年は伊東深水さんの「秋晴」がえろう評判でしたが、あけすけにいえば、私は一向感心しませなんだ、どうもまだ奥の方から出ているものが足りないと思います。
伊藤小波さんの「秋好中宮」は昨年のお作の方が、私には好きだと思います。大きく伸ばしたのでいろんなものが見えたのかも知れません。
和気春光さんの「華燭の宵」は怖い顔の花嫁さんやと思いました。
木谷千種さんの「祇園町の雪」を見ると、ズッと昔の「をんごく」などの方を懐かしく思い起こさせられます。
私はもう年をとってしまいまして、モダンな現代から置いてけぼりを食ってしまったのやと思います。そうかといって、どうしても無理をしてまで現代に追ッつかんならんとは思いません。私は私で、今まで通って来た道をまっすぐに行くつもりです。
もちろん帝展にでも出したいとは思っています。毎年夏になって若い人達が出品画の準備を始めますと、やっぱり何ぞ自分も出してみたいなアという気が出て来ます。