轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
18 一度家に帰り父に誡められたはなし
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,931 字 · 6 页
自分の父は、幼い時、その親が身体を悪くされたために、自分の身を犠牲にして、一生懸命一家のために尽くされたという。自分は、その父が家のために尽くしたという年齢よりも、まだ、ずっとおとなになっているのに、こうして、師匠の家に安閑として家のことや、親たちのことを他所に見ているというは、何んたる不孝のことであろう。ここはこうしている場合ではない。自分も父のしたように、自分の父に対して、その危急を手助けしなければならない。――
こう私は思い詰めぬわけに行かなかった。
或る日、日暮れに、ふらふらと、黙って、師匠の家を出て、親の家へ帰って来ました。
父は稀見な顔をして、私を見ていました。母は、それでも、何かと私に優しいことをいってくれていました。
私は父に向い、
「実は、世間がいかにも騒々しく、いろいろな噂を聞きますので、家のことが心配でたまりませんから、明日からあなたと一緒に商売をして、何なりとお手助けしようと思い、それで戻って参りましたので……」
こういう意味のことを、恐る恐る述べました。それで父の意も解け、顔色も和らぐことかと思ったのは間違いで、父は恐ろしく厳励しい声で、私に怒鳴りつけて来ました。