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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

43 歳の市のことなど

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,470 字 · 3 页

青空文庫

といって何事も無事泰平であるように、毎年同じ店で馴染の客が同じ品を買うという習慣などもあった。それでも、海老などは気合ものの方に属し、形の大小、本場のよしあしなどで時々の相場があって、品ふっていになると、熊手の売り方と同じように買い手の慾しがる大きさのを一つ位ほん俵の上などにとまらせて、客を引いたりして、これにもなかなか掛引があるのだということです。

私の父はこういう縁日商人のことについてはなかなか詳しく、自分もまた若い時は自ら手を下して地割などのことにも関係したので、時々他の縄張りのものとの間に出入りを生じ、生命の遣り取りというほどのことには至らなくても、際どい喧嘩場などに一方の立物となったりしたことがあります。上野の三枚橋を中にして、双方が睨み合ってる中に、父の弟分なり乾児なりであった肴屋の辰という六尺近くもある大男の豪のものが飛び出して、相手を一拉ぎにしたので、兼松の名が一層仲間のものに知られたという話もあります、こんな話は数々あるがまず略します。