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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

47 彫工会の成り立ちについて

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,059 字 · 12 页

青空文庫

この方もなかなか旺んにやっている人たちがあって、その大将株の親方が谷中に住まっておった。なかなか勢力があったもので、商人との取引も盛んなところから弟子や職工を沢山使っている。牙彫界ではこれを谷中派と称しておったのです。

ところで、当時、東京府(多分府であったと思う)の仕事の中に諸職業の組合組織というものを許可することになった。それはそれらの団体が一塊となって共通的な行動を取るように仕組まれた組織で、一つの組合には組長、副組長というものがあって、その社会の種々な規約的なことを総括する一つの機関であるのですが、この事が発表になると、牙彫の方でも谷中派の連中がまずその組合というものを組織し出したのです。それはたとえば、牙彫業者がここに三百人あるとして、その三分の二以上の人数――すなわち二百人が結托して組合を組織すれば、その組合というものは、その業務に従事しているすべての人の上に権力を働かすことが出来るのであって、よし、他に不賛成者があるとしても、少数者はその規則の下に服さねばならんといった訳であった。もし不賛成者があれば、市内から離れて郡部へ行かねばならんというのである。