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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
65 学校へ奉職した前後のはなし
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 6,302 字 · 13 页
三月にはいって間もなく、或る日竹内久一氏が私宅を訪問されました。
「高村さん、今日は私は個人の用向きで来たのではありません。今日は岡倉覚三氏の使者で来たのです」
という前置きで、その用件を話されるのを聞くと、私に美術学校へはいって、働いてもらいたいという岡倉氏の意を受けてお願いに来たのだということであった。私は寝耳に水で、竹内さんのいってることがちょっと要領を得ないので、
「一体、今お話しの美術学校というのは何んですか。またその学校は何処です」
と聞くと、竹内さんもちょっと意外な顔をしていましたが、
「美術学校は上野にあります。現に私はその美術学校の教師を勤めているのです。浜尾新氏が校長で、岡倉さんは幹事です。この美術学校というのは日本画と彫刻とで立っているので、岡倉さんがあなたに来てもらいたいという主意はその木彫の方の教師になってもらいたいというのです。岡倉さんもいろいろこの事については考えたが、どうも他に適当の人がない。それで是非あなたに這入ってもらって一つ働いて頂こうということになったのだから、これは一つ否が応でも引き受けて頂かねばなりません」という話であった。