轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

69 馬専門の彫刻家のこと

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,821 字 · 10 页

青空文庫

これは出来ます。あなたには馬が頭にある。木を彫ることさえ出来れば自然馬は彫れるわけです。お望み通り教えて上げましょう」

こういいますと、後藤氏は大喜び。翌日から弁当持ちで通って来られたので、私は木取を教えて上げた。

暫く稽古をしている中に、後藤さんの馬が出来ました。これは規則的の、馬としては非難のない馬が出来た。後藤氏は、お蔭で馬が出来ましたといって、さも満足そうに礼をいわれ、それから一層気乗りがして来て勉強されて、いろいろ馬を彫られた処、その事が軍馬局に分り、主馬寮に分り、宮内省に分りして、後藤は馬を彫ることは上手だという評判が立って、後には馬専門の彫刻家となりましたので、今上天皇がまだ御六歳の時、東宮様と仰せられる頃御乗用の木馬までもこの人が作られたというような次第でありました。

しかし、まだこれという大作はしない。それで、一生の仕事として、等身大の馬を製作し、招魂社にでも納めたいというのが日頃の願望……これほど、馬ということには熱心な人であったのであります。

こういう一条の逸話を、私は岡倉校長へ後藤氏の名を紹介するためにお話したのであった。