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ひらがたけとうはんき

平ヶ岳登攀記

高頭 仁兵衛

「山岳 一〇の三」1916(大正5)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,907 字 · 27 页

青空文庫

の如きも平ヶ岳を省きて、鶴ヶ岳を載せたり、かくの如く鶴ヶ岳の名はかなりの勢力ありてまた好名称なれば、余は出所も知れざる新名称の影鶴山を避けて、鶴ヶ岳の名を用うるものなり。

平ヶ岳に登る

平ヶ岳に関しては前章に於て長々と陳べたが、まだ嫌焉ぬからこの章の前叙としてもう少し記する、この山は深山中の深山であって普通の道路から見えぬから、容易に瞻望することが出来ないし、それが原因で世人に知られていないのである、また蓮華群峰や妙高山や日光白根、男体山、赤城山、浅間山、富士山からも見えるには、見えているはずであるが群峰畳嶂の中にあるから、その独特の形状を認められることが出来ない、平ヶ岳の偉大なる山勢を知るには是非とも燧岳からせねばならない、越後方面の荒沢岳や中ノ岳や兎岳もよいとは想うが、登攀したことがないから断言することは出来ない、順序としてこの山の所在を略説する必要がある、北越と上野の国境をほぼ南々西から北々東に向うて走っている山脈を、清水連嶺と呼んでいる、人によっては三国山脈とも称しているが、三国山は各所に同名があって混同の恐れもあるし、それに三国山や三国峠は往時は著名でもあったろうが、国道が清水峠に移転してからは清水峠を主要なるものと見るべきものと思うし、位置からいうても三国峠の南端にある