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わたしはかいぎはだ

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

二葉亭四迷『平凡・私は懐疑派だ』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私は懐疑派だ、予が半生の懺悔、余が翻訳の標準、小説総論。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,626 字 · 41 页

青空文庫

だから、早く云って見れば、文学と接触して摩れ摩れになって来るけれども、それが始めは文学に入らないで、先ず社会主義に入って来た。つまり文学趣味に激成されて社会主義になったのだ。で、社会主義ということは、実社会に対する態度をいうのだが、同時にまた、一方において、人生に対する態度、乃至は人間の運命とか何とか彼とかいう哲学的趣味も起って来た。が、最初の頃は純粋に哲学的では無かった……寧ろ文明批評とでもいうようなもので、それが一方に在る。そして、現世の組織、制度に対しては社会主義が他方に在る。と、まあ、源は一つだけれども、こんな風に別れて来ていたんだ。

社会主義を抱かせるに関係のあった露国の作家は、それは幾つもあった。ツルゲーネフの作物、就中『ファーザース・エンド・チルドレン』中のバザーロフなんて男の性格は、今でも頭に染み込んでいる。その他チェルヌイシェーフスキー、ヘルツェン、それから露国の作家じゃないがラッサール、これらはよく読んだものだ。

勿論、社会主義といったところで、当時は大真面目であったのだが、今考えると、頗る幼稚なものだったのだ。例えば、政府の施政が気に喰わなんだり、親達の干渉をうるさがったり、無暗に自由々々と絶叫したり――まあすべての調子がこんな風であったから、無論官立の学校も虫が好かん。