轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こうふくにくらしたふたり

幸福に暮らした二人

小川 未明

「童話」1923(大正12)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,713 字 · 12 页

青空文庫

もう難船をして死んだものと思っていました。そして、もうそのときから、日数もよほどたっていましたので、帰ってこないものとあきらめていました。二人の生きて帰ってきたことは、彼らにとっては信じられない奇蹟でありました。

「おまえがたは幽霊じゃないか?」といって、黒んぼの仲間は、二人のものを取り囲みました。二人のようすは、島を出るときとは、まったく違っていました。手や、足や、顔の毛はいっそう深くなって、そして、見違えるほどにやつれていたからです。

「なにが幽霊なものか、俺たちはみんなおまえがたの顔を覚えている。」と、二人はいって、だれかれの名をいっては、なつかしさのあまり抱きつきました。

すると、みんなは、どうして助かったか? どうして帰ってきたか? といって、口々にたずねました。二人は、難船したときの模様や、暗かった夜のものすごい光景や、救われてから港に着いて、陸に上がって、それはそれはいいつくされない美しい、不思議な世界を見てきたようなことを話しました。そして年上の甲は、

「その国の王さまが、二人に、このぴかぴか光るものをくださったのだ。これさえ持っていればどこへでもゆけるありがたいものだといってくだされたのだ。