轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

久坂葉子『幾度目かの最期』。同一底本的分册已合并为一书。收入:幾度目かの最期、女、鋏と布と型、四年のあいだのこと。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,103 字 · 121 页

青空文庫

私は、結婚してほしい、とねがったんです。青白き大佐との契約書を持っていながら。勿論、その契約書は、返却するつもりでした。でも、返却してから云うべきだったろうと今思います。彼はむつかしい顔をして帰ってゆきました。私は、自動車で、あわてて、会場へ戻り、さて、公演。自分の芝居が公演されるということは、とても単純によろこべないことです。演技者にも、演出者にも私は本当に感謝してますけど、私自身とてもおちついてみることが出来ません。私は、一回目の公演が終り、夜になり、芝居のことよりも、鉄路のほとりのことで一ぱいでした。青白き大佐は、私に云いました。真剣に愛しているなら、二回目の公演が終れば、京都へ行くがいい。そして、もう仕事も何もほったらいいんだ。私は随分考えました。だけどやめたのです。芝居ほったらかしたら駄目だぞ、と鉄路のほとりにわかれる時云われたのです。私は行かぬことにしました。その日の公演の後、私は泣きじゃくりながら、酒を何杯ものみました。私は随分何か云いました。だけど本当の気持は、自己嫌悪で一ぱいだったのです。へたな台本、そして、きたない行為。そして、小説がかけないということ。