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はいとうだいのかいちょう

廃灯台の怪鳥

山本 周五郎

「少年少女譚海」博文館、1938(昭和13)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,578 字 · 18 页

青空文庫

「先生、来ました」新田が云うと共に、

だあんッ――。

耳を聾する銃声、もう一発! 同時に観測室でばたんと扉の開く音、それより疾く、宗方博士は脱兎の如く其処へ踏込んで行った。――と其処には、怪鳥が二米余もある翼をひろげ、恐ろしい叫び声をあげながら北村に襲いかかろうとしている。博士は思わずあっと立竦んだが、直ぐに右手の拳銃をあげて、

がん!

と一発狙撃した。

「射ってはいけません」

喚きながら新田が馳せつける。

その刹那……怪鳥は身を翻えして、開いている扉から外へとび出した。

「逃がすな、早く捉えろ※(感嘆符二つ、1-8-75)」

叫びながら三人が追って出る。

とたんに怪鳥は、鉄柵を乗越え、飛礫のように海上めがけて身を投じた。

ひイ――という無気味な声が、遥かに遥かに下へ消えるのを、三人は茫然として聞いた。

「残念でした……是れで万事終りです」

新田が嘆息するように云った。

「罪はその出たところへ返りました。行って死体の始末をしてあげましょう――金森博士の死体を」

「なに金森博士※(感嘆符疑問符、1-8-78)」

「そうです、怪鳥の正体は金森医師です」

「なんのためだ? 信じられん」