轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はいとうだいのかいちょう

廃灯台の怪鳥

山本 周五郎

「少年少女譚海」博文館、1938(昭和13)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,578 字 · 18 页

青空文庫

此処は千葉県の外房海岸。俗に「不帰浜」という岩石峭立する荒磯から、二百ヤードほど距れた小島にある廃灯台であった。――高さ百五十呎の塔と二棟の附属建物は、既に使用されなくなってから二十年。殆ど廃墟も同様になっていたのを、一週間ほど前から宗方博士一行が借受けているのだ。

宗方博士は海水中の微生物研究では日本有数の権威者で今度この近海に発生した夜光虫の研究をするため、三人の助手と令嬢を伴れて移って来たのであった。――今宵は丁度八日め、助手の一人吉井禎吉を不寝観測番に残して、みんな寝についてから三時間、午前一時少し過ぎた時にこの事件が起ったのである。

三人は殆ど息もつかずに螺旋階段を馳登った。頂上は旧の発光室を改造した夜行虫観測所で、幾種類もの観測鏡や特殊の分光器などが備付けてある。――登って来た三人は、薄暗い洋灯の光の下に、血まみれになって倒れている吉井助手の姿をみつけて、

「あっ!」と其処へ立竦んだ。

しかし新田進は直ぐに走寄り、呻いている吉井を抱起して傷口を検べた。白い上衣の胸まで、絞るほどの血だ。傷は頸の両側にあり、奇怪な事には、それが三つ宛、まるで長い爪を突立てたような形になっていた。