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はいとうだいのかいちょう
廃灯台の怪鳥
山本 周五郎
「少年少女譚海」博文館、1938(昭和13)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,578 字 · 18 页
えッ、それではこの灯台でもう四人も怪死したのか!
内部はたった一本の螺旋階段、犯人の出入る隙は何処にもない。鼠の隠れる場所もない室内で人が殺されかかった。――壁に懸けられた怪鳥の爪は、吉井助手の頸の傷痕にぴったりと当篏る。然もその爪は血まみれであった。……恐るべき怪事件の幕はどう展開するか?
えッ、それではこの灯台でもう四人も怪死したのか!
「大丈夫、命は取止めます」
金森博士は手当を終って、ベランダの方へ出て来ながら云った。
翌る日の朝である。危急の知らせに時を移さず、地元の川名村から馳けつけて来た村医金森博士は、夜の明けるまで殆ど附切で手当をしていたが、どうやら大丈夫と見極めがついたのであろう、みんなの待っている処へ大股に出て来た。
「本当に助かりましょうな」
「命だけは受合います。然し……否、先ずその珈琲を一杯頂きましょうか。それから少し皆さんにお話があります」
桂子は手早く珈琲を注ぎ、尚数滴のウイスキイを加えて差出した。――金森村医は煙草に火をつけ、さも旨そうに珈琲を啜りながら、暫く海の方を見やっていたが、
「吉井君はどうして怪我をしたのか、多分お分りではないと思うが、どうですか宗方さん」
「それなんです」