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はいとうだいのかいちょう
廃灯台の怪鳥
山本 周五郎
「少年少女譚海」博文館、1938(昭和13)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,578 字 · 18 页
犯人は何処からも忍込めません。傷口は、……吉井君のと寸分違わずです。然も、――死ぬ間際に田口は『あの鳥が』と云って、例の剥製の怪鳥を指しました」
「そのとき鳥の爪に血が附いていはしませんでした?」
桂子が怖ろしそうに訊いた。
「附いていました。と云うより血みどろだったと云うべきでしょう。――警官が来て二週間あまりも捜査しましたが、結局……訳の分らぬ怪事件として打切られて了いました。ところが、それから間もなく、左様、ひと月も経った頃でしょうか、今度は灯台長の川村という老人が、全く同じような死方をしたのです」
「つまり、それも原因は分らず了いなのですね」
「そうです、その後の二人も」
「…………」
四人も、四人も怪死したのか? 聴いていた宗方博士をはじめ、みんな遉に顔色を変えたが、――新田進がふと金森村医を見ながら、
「そのお話をつづめると、剥製の怪鳥が動きだして人を殺す、と云う事になりそうですが、貴方はそれをお信じになっているのですか」
「私は御覧の通り貧しい科学者で、試験管の中で実証される事実でない限り何物をも信じません。無論……剥製の鳥が化けて出るなどとという事も信じようとは思いません。