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やくにんがくさんそく
役人学三則
末弘 厳太郎
末弘厳太郎『役人学三則』。同一底本的分册已合并为一书。收入:役人学三則、役人の頭、嘘の効用、新たに法学部に入学された諸君へ、小知恵にとらわれた現代の法律学、法学とは何か。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,454 字 · 172 页
否、私はそう思わない。学者の役目は、裁判所や立法府と協力して、一方においては現在の法律はかくかくのものであるということを一般国民に示して、そのよるところを知らしめるにある。であるから、できるならば、いわゆる学説の数を減らすことをひたすら心がけてこそ立派な学者である。そうしてまた他方においては、大きな眼からみて将来法律の進みゆくべき道を示すことに努力してこそ、真に学者の本分が発揮されるわけである。いたずらに小知恵にとらわれて末節にのみ走り、積極説、消極説に次いで折衷説さらに第四説、第五説を生み出すごときに至っては、全く法律家のまさにとるべき態度を踏み違えたものといわなければなりません。
しかしながら、よくよく考えてみると、かくのごときことは、現在の日本においてひとり法律家のみの行うところではない。実際からいえば現在の世の中のすべてが、いわば小知恵の行きづまりである。第一八世紀以来漸次に自然科学が発達をとげると同時に、自然科学の力を借りれば万事がたちどころに説明がつく、したがって万事が経験と理知とで説明されうるというようなことを、世の中一般の人が軽々しく考えるようになり、ついには現在まだわずかしか発達していない自然科学をもってすでになにかよほど完全なもののように考え、これで万事きりもりしてゆけると考えるよう