轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こころのしらべ
心の調べ
宮城 道雄
宮城道雄『心の調べ』。同一底本的分册已合并为一书。收入:心の調べ、雨夜の駅、音の世界に生きる、垣隣り、声と食物、声と性格、声と人柄、五十年をかえりみて、純粋の声、春雨、耳の日記、昔の盲人と外国の盲人、山の声、私のすきな人、私の若い頃、レコード夜話。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,958 字 · 66 页
それでやっと探り出したのは、ベートーヴェンのワルツによる三十三の変奏曲であった。ピアノはフイッシャーの演奏であったが、それを電気蓄音機で弱くして聴いた。ところが私の思惑とは違った。
私は形式などを参考にしたいと思っていたが、それよりも変奏の変る毎に私に感じるのはベートーヴェンの何か心理というようなものであった。
私は寝床のすぐ側へ蓄音機をおいて、寝ながら聴いていて、レコードを裏返す時にはそのまま手を延ばし、一枚済むと上半身を起してかけ変える。誠に無性なようであるが、こう横になって聴いていると、一層深く味わうことが出来る。
次第に変わって行く和声的な最低音や、最高音、それに何かを暗示するように続いて聞こえるある低音などが、しんとした真夜中と一体になったように私に感じられて、何か深い人生までが思い浮かんでくるのであった。そしてレコードを七枚聴き終った時はもう夜明近くであった。この名曲もさることながら、私は理解の深いフイッシャーの演奏ぶりに、今更のように敬服の念が湧いてきたのであった。
私はずっと以前に、ハイフェッツの古い吹込らしかったが「妖精の踊」のレコードを持っていた。