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「しんりしけん」じょ
心理試験
小酒井 不木
小酒井不木『心理試験』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「心理試験」序、外務大臣の死、国枝史郎氏の人物と作品、ヂュパンとカリング、二重人格者、ポオとルヴェル、歴史的探偵小説の興味、誤った鑑定、安死術、恐ろしき贈物、怪談綺談、稀有の犯罪、体格検査、被尾行者、変な恋、「マリー・ロオジェ事件」の研究。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,338 字 · 197 页
「心理試験」序
江戸川乱歩兄から、こんど創作第一集を出すについて序文を寄せよとの事。わが探偵小説界の鬼才江戸川兄の創作集に、私が序文を書くなどということは、僭越でもあり恥かしくもあるが、同時にまた、私に序文を書かせてくれる江戸川兄の心が嬉しくてならぬ。で、とにもかくにも御引受して、さて、筆を取って見ると、少なからぬ興奮を覚え、いささか、かたくなった為体である。だから、うっかりすると、甚しく脱線したことを書かぬとも限らない。
二年ほど前、博文館の森下雨村氏からの紹介で、江戸川兄の処女作「二銭銅貨」を読んだとき、私は感心したというよりもむしろ驚いた。日本にこれだけの作家があろうとは思いも寄らなかったからである。実はその頃、何故日本に優れた探偵小説作家が出ないだろうかを不審に思い、日本人の生活状態が、探偵小説の題材に不似合なためだろうかと考えて見たこともあったが、それにしても、「日本式」ともいうべき作品が出てもよかりそうに思い、結局はやはり、日本人の頭脳が探偵小説に不適当かも知れぬと高をくくっていた矢先であるから、驚くと同時に、自分の考えちがいを恥じざるを得なかった。