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「しんりしけん」じょ
心理試験
小酒井 不木
小酒井不木『心理試験』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「心理試験」序、外務大臣の死、国枝史郎氏の人物と作品、ヂュパンとカリング、二重人格者、ポオとルヴェル、歴史的探偵小説の興味、誤った鑑定、安死術、恐ろしき贈物、怪談綺談、稀有の犯罪、体格検査、被尾行者、変な恋、「マリー・ロオジェ事件」の研究。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,338 字 · 197 页
という記事を根拠としたものであろうけれど、夕刊新聞には、第一回の失踪の原因について、マリーも母親も、田舎の友達のところへ遊びに行ったのだといっているに反し、メルキュール紙が、「海軍士官と一しょにいたことは周知の事実である」と書いているのも少々おかしいように思われる。海軍士官のことがもし周知であるならば、メリーの母親の知らぬ訳はなく、従って母親を訊問した警察の記録には載っている筈で、それを調べた筈のバーンスの著書には当然書かれていなければならぬのに、その記述はないのである。
最後に、メリーが何処で殺されたかの問題も、知れている事実だけから推定してこれを解決することは頗る困難である。しかし、メリーの死体がハドソン河から発見されたことは、ハドソン河の近くで殺害の行われたことを想像するに難くはない。現今ならばメリーの衣服に着いている塵埃や草の葉の破片などから、それを顕微鏡的に検査することによって兇行の場所を推定することが出来るであろうけれども、当時は常識的に判断するより他はなかった。もしウィーハウケン(小説ではルール関門)の近くで認められたという女がメリーであったならば、兇行はやはりその附近で行われたものとするのが、常識的に見て当然のことである。