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「しんりしけん」じょ

心理試験

小酒井 不木

小酒井不木『心理試験』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「心理試験」序、外務大臣の死、国枝史郎氏の人物と作品、ヂュパンとカリング、二重人格者、ポオとルヴェル、歴史的探偵小説の興味、誤った鑑定、安死術、恐ろしき贈物、怪談綺談、稀有の犯罪、体格検査、被尾行者、変な恋、「マリー・ロオジェ事件」の研究。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,338 字 · 197 页

青空文庫

ことに近ごろ、下手の横好きで創作を始めたら、尚更読む暇がないのに困ってしまった。だから、新らしい作家に関しては自分の知識は甚だ乏しいのである。

長篇では、何といってもオルチーのスカーレット・ピンパーネル叢書が一ばん好きである。しかし、オルチー夫人の筆は少し長すぎはしないかと思っている。もう少しきりつめればきりつめられぬことはなさそうに思うが、ああいうのが英国人に向くのかも知れない。同じく長過ぎるとは思っても、コリンスの作品はそんなに気にならずに読んで行ける。「白衣の女」など、長いところに面白味があるように思われる。

ドウーゼもかなり好きであって、彼の長篇六つは非常な興味を持って読み、六篇とも追々翻訳して公にするつもりであるが、何度も何度も繰返して読む程の熱はない。一般に探偵小説の長篇で、何度読んでも飽かないというようなのは滅多にないもので、やはり探偵小説は、短篇に生命があるように思われる。

ドイツや北欧の探偵小説も相当に読んだけれども、ドウーゼを除いては、これといういいものにはぶつからない。もっとも私の読んでいない作家にすぐれた作品があるかも知れぬが、探偵小説はやはり英米仏にとどめを刺すようである。