轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きゅうこうじゅうさんじかん

急行十三時間

甲賀 三郎

「新青年」1926(大正15)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,724 字 · 24 页

青空文庫

「そこで、こっちだが――」探偵の始末がつくと、頬骨氏は老翁に向き直って云いかけたが、老翁が忽ち遮った。

「私立探偵の木村清です」彼は忽ち鬘と髯を取った。私ははっと彼の顔を見たが、私の見た木村清とは全で違った男だった。聡明そうなキビキビした顔つきではあったが。

「うん、そうじゃろう」頬骨氏は満足そうにうなずいた。

「そうしてあなたは有名な犯罪学者坂田博士でいらっしゃると存じます」

「いかにもそうじゃ。だが、わしは少し説明して貰いたい所があるて」坂田博士は云った。

「承知いたしました。実は私は今回の被害者A――氏から同氏の大阪に旅行中の令息にかかる脅迫事件の依頼を受けたのです。私はA――氏に兎に角要求だけの金を令息の友人に言伝けて大阪まで持参させる事を勧めたのです。そうして私自身その後をつける積りでした。それで疑いを少くする為に態と白髪の老人に変装したのですが、偶然坂田博士と隣合せとなり、いろいろ話しかけ且つ試問せられたのには閉口いたしました。黙っていれば格別、ああ喋らされては、いかに巧妙な変装でも尻尾を出します。

それは余談ですが、汽車中で計らずも、ここに居られる方に奇妙な同伴者のある事を発見しました。