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せいかくとしてのくうかん
性格としての空間
戸坂 潤
――理論の輪郭――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,569 字 · 39 页
何となれば凡そ抽象的な対立概念で絶対的区別が不可能でないようなものは一つもあり得ない。独り形式・内容、制約・被制約ばかりには限らないのである。併しそれであるからと云ってこの抽象的対立概念を用いた為めに具体的対立までが相対化するのであるならば、そのような対立概念は使用に耐えないほど危険であるであろう。故に今の場合の形式と内容との対立はたとえ抽象概念自身としては絶対的でないにしても、絶対的対立を与えるべく使用されることを求めている。かかる役目を果す形式は云うならば静的であると云わなければならない。認識論的制約も存在論的制約も之の外ではないのである。制約としての空間は静的な形式――カントの意味を拡めて用いたアプリオリ――である。――さてこのような形式(制約、アプリオリ)が常に根本的な困難を伴うことを人々は歴史上好く知っている。それはかかる静的な形式が如何にして同じく静的な内容と結び付くことが出来るかという困難である。この根本的な困難を避ける道は形式・内容を運動概念に於て理解することの外には恐らくないと思う。之によれば matter は form となることによって自らを明らかにする。