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かいきじんぞうとう

怪奇人造島

寺島 柾史

「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页

青空文庫

「僕も、心臓の入替なぞ、平気でやれる大科学者になって見せるよ」といった。将校は、肯いて、

「うん。それでこそ、死んだ二人の科学者の、恩に報いられるのだ。しっかりやってくれ」

「はい」「はい」海軍機は、すでに、魔の海――大渦巻の上空を去って、夕靄の深く鎖した大海原を、西方指して飛んでいる。

「大尉殿」僕は、訊ねた。

「何だ」

「この海軍機は、ドイツから輸入したのですか」

「いや、国産だよ」

「へえ、素晴しいなア。こんな優秀機が、もう日本でも出来るンですか」

「出来るとも。もっと素晴しいのが出来かかっているよ。これは、東京帝国大学の航空研究所で設計したものだ。太平洋なぞ、無着陸で往復できるよ」

「ほう、愉快だなア」

「小僧たちも、うんと勉強して、これに負けない飛行機をつくってくれよ」

「つくるとも。大丈夫」

「何だぜ。もう、どろぼう船になンか、乗るんじゃないぜ」

「あれは、横浜で、船乗たちに騙されたのだよ。もう、北洋へなぞ往かずに、うんと勉強するよ」

「よし。陳君、君も、うんと勉強したまえよ」

「はい」

「中国も、日本と協力して、もっと強くならなくてはいかんなア。東洋平和のために、日本と協力して、進むンだなア」