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かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页
「僕は、山路君の、忍耐と、勇気と、仁侠に感動させられました。日本人と、中国人とは、兄弟のように仲好くなるのが、ほんとうだと、こんどの冒険旅行で、しみじみ感じました」
「それだ。それは、大きな収穫だった。山路君と陳君との友情は、やがて、日本と中国との永遠の友情の楔となるのだ」国際優秀機は、太平洋の上空を、秀麗富士の聳える日本の空を目指して、悠々と飛んでいる。四ヶ月余に亘る、怪奇な冒険旅行を終えて、故国へ帰る僕は、疲労も、眠気も忘れて、元気一杯、口笛を吹いた。
日本へ帰ってから、人々に、老博士の人造島のことや、白衣の老人の心臓入替の話や、さては、幽霊船のことや、魔の海の大渦巻のことを物語ったが、誰も、それを信じるものが無かった。「そんな莫迦なことがあるものか!」一笑に附してしまう。だから、どろぼう船を脱れて、巨鯨のお腹に乗っかって、漂流したなぞといったら、きっと、みんなは、吹き出してしまうだろう。僕は、目下、日本の有名な理学博士の主宰する化学研究所に助手として働いている。僕は、他日きっと人造島を発明してみせる。そのときこそ人々は、はじめて、僕の冒険談を、ほんとうにして聞いてくれるだろう。