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かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页
二人は、悄然として階段を下りた。
中甲板をおり立つと、どこにいたのか、五人の水夫が、不意に現われて、二人の前に立塞った。
「停れ――」太い低音で叫んだのは、髪の縮れた、仁王のような安南人だ。右手を突出し、ピストルの銃口を二人の胸に向けた。
「やい小僧。てめえたちは、とんでもねえことをしてくれたな。さア、はやく機関を動かせ」
陳君は、落着払って、
「故障で動かないのだ。このうえは、潮流に乗って漂うまでさ」
「漂流?……よろしい。……で、小僧、てめえたちは、このピストルが怖くはねえのか。怖かったら、乃公に降伏しろ」
「降伏?」
「そうだ。本船では、乃公が一番の強者だ。何故なら、乃公はピストルを持っている。そこで、強者の乃公は、ピコル船長に代って、今から船長様だ。てめえたちも、乃公の命令に従うがいい」
「黙れ! 縮毛。船長は、この僕だ。おまえこそ、われわれ二人の部下じゃないか」陳君が、肩を聳かすと、縮毛の大男は、大口開いて笑った。
「ワハ……。小僧、大きく出たな。だが、いくら力んでも、どうにもならんさ。この船の宝物は、乃公のものだ。絶対に手を触れることはならぬ」
「うぬ!」