轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうふのくちぶえ
恐怖の口笛
海野 十三
「富士」1934(昭和9)年8月号~11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 60,713 字 · 122 页
そんなことが有り得るだろうか。だがここに無惨なる最期を遂げているのは、正に兇賊痣蟹に違いなかった。
「貴女は失踪中のポントスのことを云うが、しかし誰でも貴女の釈明を要求しますよ」
と懐中電灯の男はいう。どっかで聞いた声音である。
「いいえ、あたしは犯人じゃありません。このジュリアは貴方の電話でうまく此処へ誘いだされたのです。陥穽です、恐ろしい陥穽なんです。ああ、あたし……」
と、よよと泣き崩れる声は、意外にも今を時めく、龍宮劇場のプリ・マドンナ、赤星ジュリアに違いなかった。
それで解った。ここはパチノの墓穴なのだ。この深夜、一体何ごとが起ったというのであろう。ジュリアを責める男は誰人? そして地底に現われた吸血鬼は、そも何処に潜める?
生か死か、覆面探偵
帝都の暗黒界からは鬼神のように恐れられている警視庁の大江山捜査課長は、その朝ひさかたぶりの快い目覚めを迎えた。それは昨夜の静かな雨のせいだった。それとも痣蟹仙斎が空中葬になって既に四日を経、それで吸血鬼事件も片づくかと安心したせいだったかもしれない。――課長は寝衣のまま、縁側に立ち出でた。
「――手を腰に膝を半ば曲げイ、足の運動から、用意――始めッ!」