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きょうりゅうとう
恐竜島
海野 十三
「PTA世界少年」1948(昭和23)年1月号~終了月は未詳
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,662 字 · 199 页
携帯電灯で、ケンが中を照らしてみると、奥は広くなっており、天井も高くなっていた。たしかにこの中は人工が加えていることがわかった。岸壁も、のみでけずって、中をひろくしたにちがいない。けずられた小さい石塊が、がさがさと靴や膝の下に鳴る。
だんだん奥にはいったが、入口から七八メートルに行ったところで、行きどまりになっていた。壁のまん中に、舷窓ぐらいの穴が一つあいていた。そのあたりは、やや高くなり、壁も垂直に削ってあったが、ほりにくいせいか奥行のせまい棚のようになっていた。
ケンは、いちばん奥のところへあぐらをかくと、
「ここでしばらく形勢を見守ることにしよう。とにかくここにもぐりこんで、おとなしくしていれば、恐竜に襲撃されることはないだろう」
といった。
一同もケンの説に同感して、安堵の色をあらわした。
この洞穴にも、怪獣のおそろしい咆哮がひびいてきた。銃声はもうしない。
いったい崖の上では、どんなことが起ったのであろうか。
すべてはモレロのらんぼうと、そして彼と二人の水夫との慾ばり根性に発しているのだった。
モレロと二人の水夫は、ロープにすがって、崖を中段まで下りた。