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きょうりゅうとう

恐竜島

海野 十三

「PTA世界少年」1948(昭和23)年1月号~終了月は未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,662 字 · 199 页

青空文庫

三人は急に元気になる。

どんな波が来ても、暴風雨になっても、水の上で生活していた三人は恐れない。

「モレロさん、どこへ行くんです」

「恐竜の巣だよ」

「え、じゃ、あの」

「今まで俺達は、上からばかり奴等をねらった。それで失敗した。だから今度は下から攻めるんだ」

「恐竜の卵をとりに行くんですかい」

「誰が卵なんかとるものか」

「じゃセキストン伯爵を救けに出発ですか」

「誰があんな慾張り親父を救けるもんか、さあこげ、ボートがあの巣につくまでに、俺の計画をすっかり話してやらあ」

ギイッ、ギイッ

とフランソアとラルサンのこぐ櫂が、深みどりの水面を破って、白い小さい泡をまき起すあたりに、七色の美しい小魚がたわむれていた。

ボートは珊瑚礁の海を気持よくすべってゆく。

もう夕方に近かった。太陽はすでに島かげにかくれている。東の空が入日を受けてあかね色にそまっていた。

「あすこにつく頃には薄暗くなる頃だ」

舵をとりながら、モレロは話をはじめた。顔のきずあとが、一だんとものすご味を加えてきた。

「俺たちはこっそりと、奴等の巣にしのび寄って行くんだ」

「卵をとるんですかい」

「卵じゃねえ、宝ものだ」