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きょうりゅうとう

恐竜島

海野 十三

「PTA世界少年」1948(昭和23)年1月号~終了月は未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,662 字 · 199 页

青空文庫

「オーケー」

ケンと玉太郎は、ラウダに云われるままに再び山にのぼり、大きくまわって、岬のはずれにいそいだ。

「おや、あすこにボートがある」

「うん、誰が乗って来たのだろう、今の我々にはなんといっても絶好の味方だ。拝借しょう」

二人はすべるように崖を下っていった。

ボートはモレロたちの作った丸木船だ。けれどもとより二人は知らない。

「さ、玉ちゃん乗れ、君は舵を、僕はオールをもつ」

ボートは波に乗って、恐竜に見つけられぬように注意しながら、待った。

「おや」

ケンがオールの手をとめた。

「玉ちゃん、聞えないかい」

「なんです」

「ほらあの音」

玉太郎も耳をすませた。

「ああ、虫の羽音のようですね、ブーン、ブーンという、蚊のような音ですね」

「うん、あれは君、飛行機の爆音だよ」

「え、飛行機」

「そうだ。しばらく、ようすを見よう」

蚊の羽搏きににたその音は次第にはっきりして来た。やがて爆音だということが感じられた。

しかし、大きくひろがっている蒼空の中に、その姿を見つけることはなかなかむずかしい。二人は眼をギロギロさせて大空をさがしたが、蚊よりも小さい姿は見つからなかった。