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わたしのちちとはは
惜しみなく愛は奪う
有島 武郎
有島武郎『惜しみなく愛は奪う』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の父と母、二つの道、片信、広津氏に答う、小作人への告別、宣言一つ、想片。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,351 字 · 70 页
僕はここに疑問を插むものである。結局堺氏は、末座ながら氏が「中流階級の人道主義者」とある軽侮なしにではなく呼びかけたところの人々の中に繰り入れられることになるのではなかろうか。すなわち、「自分の中流階級的立場から、自分のできるだけのことをする」人々の一人となるのではなかろうか。もし僕の堺氏について考えているところが誤っていないとしたら、そして僕が堺氏の立場にいたら、労働者の労働運動は労働者の手に委ねて、僕は自分の運動の範囲を中流階級に向け、そこに全力を尽くそうとするだろうというまでだ。そういう覚悟を取ることがかえって経過の純粋性を保ち、事件の推移の自然を助けるだろうと信ずるのだ。かかる態度が直接に万が一にも労働階級のためになることがあるかもしれない。中流階級に訴える僕の仕事が労働階級によって利用される結果になるかもしれない。しかしそれは僕が甫めから期待していたものではないので、結果が偶然にそうなったのにすぎないのだ。ある人が部屋の中を照らそうとして電燈を買って来た時、路上の人がそれを奪って往来安全の街燈に用いてさらに便利を得たとしても、電燈を買った人はそれを自分の功績とすることはできない。