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せいそうけんひこうとわたしのメモ

成層圏飛行と私のメモ

海野 十三

「航空朝日」1941(昭和16)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,418 字 · 5 页

青空文庫

以上が、成層圏についての私の常識である。

さてこの成層圏を飛行することであるが、なぜこんな高いところをとぶかというと、それは空気の抵抗がすくないため、相当のスピードが経済的に出せるところを狙ったものである。また、低空では、とても出せないようなスピードも、成層圏では比較的楽に出せる。

そういうわけで、遠距離へとぶときには、一旦成層圏へとびあがって、そこを飛行するのが時間的にも燃料消費の上にも経済である。

そういうわけなら、大いに成層圏飛行が行われてもいい筈であるが、これがまだあまり行われていないのは、どういうわけであるか。その答は、極めて簡単である。成層圏飛行は目下研究中に属していて、われわれの目にふれるところまでに発達していない。

今日各国は、それぞれ秘密裡に、この成層圏飛行の研究をすすめているが、ドイツとアメリカが最もさかんのようであり、ソ連でも中々やっているようである。が、われわれの目にふれるものは、成層圏よりも幾分低いところを飛ぶ亜成層圏飛行であるらしい。その高度は六千メートル附近であるらしいから、もう四千メートルぐらい上に、成層圏があるわけである。