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しょかん

所感

夢野 久作

「新青年 第七巻第十二号」1926(大正15)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,566 字 · 7 页

青空文庫

すると諸氏の批難の大部分は皆こうした、私の錯覚から出た弱点を指されてあるので、私はまるで仮装した犯罪者が数名の名探偵につけまわされているような切なさを感じました。同時に折角賞讃して頂いたお言葉や、探偵小説として採用された原因等の大部分が私の思い設けていたところとは大変に違っていた――云わばそんな価値のあるものが偶然にあの一篇の中に落ち込んでいたに過ぎないことを知りました。

私はそれが更に山本氏のお作、「窓」までも一気に読み終えました。そうして眼を閉じて見ますと、探偵小説の本来はかくあるべきもの――そうしてかく六ヶしいものであるということをまざまざと印象づけられまして、いよいよ兜を脱いでしまいました。「新青年」に載っているいろんな創作が、表面は何の苦もなく面白く読まれていながら、実はなかなか容易ならぬものだ。この種のものは読むにも書くにも、普通のものよりずっと深い強い処に興味の焦点を置かなければならぬものだ……ということをもその時に初めて思い知ったことでした。(知名の人に関係がありますので文中の固有名詞を符号にしたことを御諒恕願います)