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ぎじゅつのてつがく

技術の哲学

戸坂 潤

「技術の哲学」時潮社、1933(昭和8)年12月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 页

青空文庫

ては、比較的にコンスタントな条件に置かれている、という点である。それは、技術が自然と社会(今の場合ならば特に経済)との媒介点に位置しており、そして云うまでもなくこの自然が社会に対比して相対的にコンスタントな条件に置かれているということから、当然そうなければならないわけである。従って又、技術乃至技術学は社会科学に対比して、遙かにコンスタントな内容を持って来るのが当然なのである。

事実生産技術はその階級性にも拘らず、丁度自然科学的知識自身がそうであると同じに、一つの生産組織から同時代の他の生産組織にまで、比較的自由に切り換えられることが出来る。例えば電気工学的技術はアメリカに於て用いられると略々同じ条件の下に、ソヴェートでも用いられることが出来る。ただ異るのはこの技術がどの程度に統一的に与えられているかの程度であり(「全国電化計画」・「統一的労働手段」の観念等)、そして技術にとってはこの統一性が極めて重大な本質をなしているのであるが、もしこの最後の要石を抜きにすれば、技術は同一な世界経済的水準に並ぶ諸生産組織の間に、比較的自由に出這入りすることが出来るのである。